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国際紛争

ネタニヤフのイラン核計画についての嘘の主張 2018.05.01

最終更新日:2018.07.06


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[元記事]
Netanyahu’s Fake Claims About Iran’s Nuclear Program
By Stephen Lendman, May 01, 2018, Global Research
URL:https://www.globalresearch.ca/netanyahus-fake-claims-about-irans-nuclear-program/5638592

[著者]
Stephen Lendman
スティーブン・レンドマン
シカゴ在住。ラジオ、インターネット放送のProgressive Radio Networkのホスト。 2008 Project Censored受賞者、2011メキシコジャーナリストクラブの国際ジャーナリズム賞受賞者。


2012年9月ネタニヤフ、国連総会でイランの核開発計画のレッド・ラインを漫画で説明。2015年、モサドの機密書類が漏洩して嘘だと判明した。

トランプと同様、ネタニヤフは連続嘘つき犯だ。

ネタニヤフのイランの核計画に関する偽情報は、偶然にではなく、JCPOA(包括的共同作業計画)に とどまるか脱退するかのトランプの決定の前に発表された。

彼は、核関連の制裁を再開し、核合意を殺し、イランの軍事顧問が拠点を置くシリア軍事サイトへの テロ爆撃を行って、報復を引き起こすことを望み根拠のない攻撃拡大の口実に使おうとしている。 おそらくイスラム共和国との戦争を念頭に置いている。

IAEA(国際原子力機関)によるイラン核施設査察の繰り返しは、ネタニヤフの主張と矛盾している。 イスラエルが告発のために何千もの文書、図表、プレゼンテーション、写真、ビデオを数多く持ち、 それらがテヘランが何年間も国際社会に嘘をついてきたことを示していると主張している。

「この証拠を米国と共有して、その信憑性を他の機関と共に確認している」と彼は大声をあげた。


彼は声明を裏付ける信用できる証拠もなしに、イランがプロジェクト・アマドという 秘密の核兵器計画を持っており、 ミサイルに搭載するためにTNT換算で10キロトンの5個の核弾頭を設計、生産、テストしていると主張した。

彼は、イランが核反応炉と爆縮システムを開発する秘密地下施設を建設したと主張する。

彼は事実を逆さまにして言った:

「イランは核兵器計画を持ったことはないと嘘をつき、核協定に署名した後でさえ、 将来の使用に備えて核ノウハウを保持し拡大し続けている」と言い、次のように付け加えた:

「嘘と欺瞞に基づいて、この合意はイランに核兵器への明確な道を与えた。 だからそれは恐ろしい取引である。数日後にトランプが決定を下す。 私は彼が米国、イスラエルそして世界平和のために正しいことをすると確信している」。


トランプはネタニヤフの主張に答えた:

「これは私が初めから言っているように、受け入れられる状況ではない」。


2012年の国連総会では、ネタニヤフは世界の聴衆の前で自分自身を笑いものにした。 イランについての彼の漫画による爆弾のプレゼンテーションが爆撃された。

ニキータ・フルシチョフがフィリピンの代表ロレンソ氏の演説に抗議して靴を叩きつけた。 1960年国連総会

ウォール・ストリートジャーナルは、これをニキータ・フルシチョフの靴を叩きつけた事件と比較した。 昨日のプレゼンテーションは、同様に人目を引く行為で、誰も騙さず、トランプ政権の強硬派と密接に調整したようだった。

彼は数えられないほど、イランはイスラエルを破壊しようとしていると非難した。 2003年のブッシュとチェイニーの2003年のイラク侵攻の前に、彼は議会に嘘をついた。

「サダムは核兵器の開発に向けて努力しており、前進していることに疑う余地はない」と述べた。


1995年8月、サダムの義理の息子フセイン・カメルは西側に亡命した。彼はイラクの兵器計画を率いていた。

米情報当局によると、彼は核兵器計画はないと説明した。 湾岸戦争後、「イラクは全ての化学兵器と生物兵器の備蓄とそれらを運搬するミサイルを破壊した」と。

IAEA(国際原子力機関)総裁
2009年~
天野之弥

何度もネタニヤフはイランについて真実を逆さまにした。 IAEA総裁の天野之弥は、テヘランはJCPOA(包括的共同作業計画)の義務を完全に遵守していると述べた。

3月5日の理事会の声明で、彼は言った:

「今日、イランが核関連の約束を履行していると述べることができる」。そして次のように付け加えた:

「JCPOAは、検証には大きな利点となる。イランがこれらの約束を完全に履行し続けることは不可欠である。 もしJCPOAが機能しなくなれば、核検証や多国間協調の大きな損失になるだろう」。


IAEAの関係者は、査察で指定されたイランのすべてのサイトへのアクセスは妨げられていない。

天野は「IAEAは、イランが保障措置協定のもとで宣言した核物質の非転用を検証し続けている」と強調し、 次のように付け加えた:

「IAEAの査察官は、イランの地上で年間3,000日を費やしている。 我々は核物質と機器に2,000個の不正開封防止シールを取り付けた」。

「イランでは高機能監視カメラで毎日収集される数十万枚の画像を集めて分析する。 これは世界中で集めた画像総数の約半分である」。


イランの核計画は、地球上で最も集中的に監視されている。 それには軍事的要素はなく、そうでないことを示す証拠はない。

イスラエルは核武装しており危険である。イスラエルは核施設の査察を禁止している。

月曜日の発表で、ネタニヤフは自国の核兵器については何も言わなかった。 国家安全保障上の深刻な脅威に対応して核兵器を使う意思を妨げるものは何もない。 もしむき出しの攻撃がイスラエルに開始されれば、おそらくイランに対して先制攻撃するだろう。

テヘランは誰も脅さない。何世紀にもわたって他の国を攻撃していない。 イスラエルとアメリカは、地域と世界の平和を脅かしている。

ネタニヤフの月曜日の発表の前に、イラン外相モハマド・ザリフが彼を嘲笑してツイートした:

「オオカミだと泣き叫ぶことを止められない少年はもう一度やっている」。

「国連総会での(彼の)漫画の大失敗に懲りていない。ある人だけを何度でも騙すことができる」。


Federica Mogherini
フェデリカ・モゲリーニ
欧州連合外務・安全保障政策上級代表

EUの外交政策長官フェデリカ・モゲリーニは、ネタニヤフの主張に対して、次のように言った:

「最初の報告書から見てきたことは、ネタニヤフ首相が、 イランがJCPOAの約束を遵守していることに疑問を呈していないことである」。


ネタニヤフのいわゆるイラン核計画の「秘密の決定的証拠」は、彼の最新の欺瞞である。 これは、彼の以前の国連合総会での時限爆弾スタントと同じくらいの嘘である。

モゲリーニはツイートした:

「IAEA(国際原子力機関)は、イランの核開発を監視する唯一の公平な国際組織である」

「いずれの国にも、何らかの違反に関する情報がある場合は、 この情報を適切な合法的かつ認められた機構に申し出る必要がある」。


英国は、イランのJCPOA(包括的共同作業計画)遵守を擁護し、政府広報官がIAEAの監視は 「国際原子力協力の歴史において最も広範かつ堅牢なものの1つ」であると言った。

「JCPOAは、イランがこの協定を遵守していること、イランの核計画がもっぱら平和的で あることを独立に確認する非常に重要な方法である」。


ドイツ政府広報官は、IAEAによる前例のない完全で堅牢な監視システムを含む」JCPOAを強調し同様の声明を発表した。

ジョン・ヒューズ元国務次官補は、ネタニヤフの発表を「トランプが合意から引き揚げるかどうかの 決定に影響を与えようとする政治的声明で、ほとんどリサイクルされた材料」と呼んだ。

ネタニヤフの主張する「秘密(イラン)核ファイル」は、彼自身のように主権を有する 独立政府を親西側ルールで置き換えることを望む過激派の心の中にのみ存在する。

彼が月曜日に言ったことは何も信用できない。繰り返し、彼は嘘つきであることが証明された。


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