リンク:記事一覧 [元記事] Russia's Maddening Patience - Why Doesn't She Strike Back When Attacked? Dmitry Orlov – Jun 1, 2018 URL:https://russia-insider.com/en/politics/russias-maddening-patience-why-doesnt-she-strike-back-when-attacked/ri23653 多くのコメンテーターが好奇心をそそる事実に気付いた:5月9日、モスクワの赤の広場でのパレードで、 プーチンはイスラエル首相ネタニヤフと共に現れた。 同時期に、イスラエル空軍は、シリア領内のシリアとイランの標的にロケットを発射していた (多くはシリアの防空が撃墜した)。 そしてシリアはゴラン高原のイスラエルの場所に撃ち返していた(ゴラン高原は占領されたシリア領土なので、 イスラエルに対する攻撃とは数えられなかった)。 なぜ、ロシアは同盟国シリアを守るために立ち上がらなかったのだろうか? さらに、ロシアの非常に強力なS-300防空システムをシリアに売却する話があったが、 その申し出はその後に撤回された。 これは本当に同盟国の行動だろうか?
また別の例を挙げる:ロシアとウクライナとの関係は、合法的政権を打倒した 2014年のキエフ暴動の以来、衰退し続けている。 ウクライナ東部のドンバス地方には軍事的な膠着状態があり、ロシアに対するウクライナの 挑発は絶え間なく続いている。 ロシアはクリミアの併合に対して反撃され、米国とEUの経済的、政治的制裁に陥っている。 そして約1万人の命を奪ったドンバスの不安定な紛争がある。 それでもウクライナ最大の貿易相手国は...ロシアである。 ロシアはウクライナとの取引を続けているだけでなく、崩壊したウクライナ経済からの経済難民の脱出を吸収した。 その数は何百万人にものぼる。ロシアはこれらの難民を再定住させ、仕事を見つけることを許可し、 彼らがウクライナの親戚にお金を送ることを許可している。 また、ロシアは、ウクライナ東部の2つの分離主義者の共和国に政治的承認を与えることを拒否した。 ロシアがウクライナに関して取った唯一の立場は、クリミアを自分のものと主張することである。 しかし、これは多かれ少なかれあらかじめ決まっている:クリミアは1783年以来、ロシアの一部であり、 ウクライナ・ソビエト社会主義共和国へのクリミアの移転は1954年にニキータ・フルシチョフの下で起きた。 それは当時効力があったソ連邦の憲法違反だった。 さらに別の例:欧州連合(EU)が従順な召使として仕えている米国は、 腐敗した新興財閥ウィリアム・ブラウダーによって推進された2012年のマグニツキー法以来、 様々な種類の制裁をロシアに課してきた。 これらの制裁は時にはいくらか損害を与え、時には助けになり(ロシア内で輸入代替(自国生産)を促す)、 時には単に迷惑なこともある。 ロシアは誰に対してもあまりにも大きく、あまりにも重要で強力であり、たとえ米国やEUが連合しても、 それを隔離したり制裁を課して意志を屈服させることはできない。 場合によっては、強力なブーメラン効果があり、制裁される側よりも制裁側に多くの苦痛を引き起こす。 しかし、ロシアは輸入代替品の開発や、他の友好的な国との貿易関係う確立する以外に、 実際にはあまり対応していない。それは実際に米国を傷つける可能性がある。 例えばチタン部品の販売をブロックするなどで、ボーイング社が飛行機を製造できなくなるかも知れない。 あるいは、米国にロケットエンジンの販売を禁じる可能性があり、米国は衛星を打ち上げることができなくなるだろう。 しかしロシアはこれを何もしていない。 代わりに、これらの制裁は非生産的で、 役に立たないと繰り返すだけだった。
もう一つ:ロシアとNATO諸国が締結した合意に違反して、NATOはロシア国境まで拡大し、 最近エストニア、ラトヴィア、リトアニアの小さなバルト諸国を軍事的な遊び場に変えた。 ロシアの国境のすぐ隣で軍事演習を行い、何千もの軍隊を駐屯させ、ロシアを攻撃するために...彼らを訓練している。 ロシアはこれに不満だが、関係国すべてと引き続き取引している。特に、バルト諸国に電力を供給し続け、 バルト港を使って製品を出荷し続けている。 最近ラトヴィアの学校でロシア語の使用を禁止した(ラトヴィアの人口の3分の1はロシア人)。 この侮辱に反撃しようとしたリトアニアのロシア人の権利を侵害し始めたとき、 ロシアは反ロシアの露骨な差別的行為に対してさえ冷静に処理した。 ラトビアでは、ライトはまだ点灯しており、積み込まれたロシアの貨物列車は依然として国境を越えて進んでいる。 「それはなぜ?」あなたは聞くかもしれない。 「なぜこれらの多くの策略、悪意、損害に対して受け身の態度なのか?」。 ロシアは大きすぎて傷つけることはできないとは言えない。 2012年の制裁はナンセンスだったが、2014年にはロシア経済が損害を受けた (大部分は制裁措置ではなくエネルギー価格の低下からだが)。 ルーブルは価値の半分を失い、ロシアの貧困率は一気に上昇した。何が起きているのか?
・ ロシアは世界最大の国であるが、確かに人口においてではない。
国境は非常によく守られているが、61,000キロ以上に渡っている。
この環境では、海の向こう側からの敵対的な(そしてほとんど無益な)身振りに 、敵対的な(そしてほとんど無益な)身振りで対抗することは逆効果である:誰かが傷つくだろうし、 それがロシア人になる可能性がある。 したがって、勝利へのアプローチのひとつは、どうにか切り抜け、できるだけ多くの国々との 最良の関係を維持し、とりわけ近隣国と、あらゆる紛争のあらゆる面で話し合い、 無害化を試み、関与するすべてのバラバラの利益を慎重にバランスさせることである。 ロシアは、敵対しているイランとサウジアラビア、そして互いに撃ちあっている シリアとイスラエルの双方と良好な関係を維持している。 ますます敵対的な世界に直面している勝利へのアプローチの他の部分は、 限定的なアウタルキー(経済的自給自足)を目指すことである。 世界から閉じこもるのではなく、適切な対策を講じて、その変化に対して比較的耐えられるようにする。 ロシアはすでにエネルギーで自給自足しており、食糧自給率も上がっており、 次の課題は技術と金融の自給自足である。 この筋書で見れば、ロシアの強制的な行動の見かけの失敗は、結果的に注意深いバランスのとれた行動の一部となる。
・ イスラエルがシリアを爆撃した。ネタニヤフがモスクワのパレード中に名誉の席に座っている間にである。
シリアは、ゴラン高原の自らの領土を爆撃して反撃した。
その後、ロシアはS-300システムをシリアに売却しないことを決めた。何が起きたのか?
イスラエルは5月9日の勝利の日を自国の祝祭日と認めた。
イスラエルの3分の1は事実ロシア人であり、その多くはその日をロシア人であることを非常に誇りに思い、
ロシアのテレビで放映された大きなパレードに参加した。
ヨーロッパでは反ユダヤ主義の波が起きており、ウクライナではネオ・ナチス主義が荒れ狂う状況に直面して、
ロシアとイスラエルは団結している。
これは、世界で最もエキサイティングな読み物ではないが、それならそれでよい。 人々はインターネットを検索して劇的な展開の出来事の話を探す。ほとんどは退屈だからである。 最も重要な進展にスリルがないことはしばしば起きるが、重要性が低いことにはならない。 例えば、ロシアは国防費を削減している。すぐに全面的に再武装されるからである。 米国とNATOは同じことをできるだろうか? いいえ! 彼らがこれまで試みたことがあれば、 米国防衛の支配階級は議員と上院議員の組を新しく選出し、浪費を直ちにに再開するだろう。 そして、ロシア人は静かに座って、腕を組み、米国の破産を見守る。 それは確かに劇的な出来事の変わり目になるだろう。我々はそれを待たなければならない。 [関連記事] 戻る=>page top [1] プーチンは本当にイランを「見捨てる」準備ができているか? サーカー 2018.06.07 [2] ウクライナに第2イスラエルを作るイスラエルの秘密計画 2014.12.03 |