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プーチンは本当にイランを「見捨てる」準備ができているか? サーカー 2018.06.07

最終更新日:2018.07.15


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[元記事]
Is Putin Really Ready to "Ditch" Iran?
The Saker June 7, 2018
URL:https://www.unz.com/tsaker/is-putin-really-ready-to-ditch-iran/

[著者]
The Saker
元軍事アナリスト。ヨーロッパでロシア難民の家族に生まれた。現在はフロリダに住み、 Sakerブログを書いており、Unz Review、Russia Insiderに定期的に寄稿している。
(The Sakerの詳しい紹介記事はない)。




シリアでのロシアの行動の話題は、引き続き素晴らしく数多くの論争を引き起こしている。これは納得できる。 その問題は実際的、道徳的に多くのレベルで非常に重要である。 今日私は、完全に実際的なレベルに取り組み、しばらくの間、道徳的/倫理的/精神的な考察を脇に置くことにする。 さらに、議論のために、クレムリンが一致して行動していること、ロシア政府に大西洋統合主義者がいないこと、 クレムリンに第五列がないこと、そしてシオニスト・ロビーがロシアに大きな影響を及ぼさないと仮定する。 私は、将来この問題を扱う予定である。私は心の中では、これらの問題を無視することが現実にはいかに事実に基づかず、 政治的動機に基づくかは、時間と出来事が証明することは疑いないからである。 しかし、この分析の目的のために、我々はすべてがクレムリンではうまく進み、 ロシアは完全な主権国家であり、国益を自由に保護していると考える。

私は、ロシアとイスラエルが何らかの取り引きをしたことは明らかだと考える。 何らかの種類の理解が両陣営で認められているが、完全に述べられていないことも明らか起きている。 イスラエルは、いつものように、完全な勝利を自慢し、次ような記事を投稿している: 「シリアでは、プーチン、ネタニヤフは初めから同じ側にいた」という小見出しで、 「プーチンはイスラエルが自身の幸せを維持し アサドの勝利を確保するためにイランを見捨てる用意がある」。 本当だろうか?

矛盾した宣言と声明の混沌とした世界

純粋に論理的な観点からその論文を見てみよう。まず、イスラエルの目標は最初は何だったのか? 私が他の場所で説明したように[注]、当初イスラエル人は以下の目標を持っていた:
[注]参照 => イスラエル、サウジアラビアはヒズボラとの戦争の前提条件を設定する2017.11.17

1.強力な世俗的アラブ国家をその政治的構造、軍隊、治安部隊と一緒に打倒する。
2.ゴラン高原だけでなく、さらに北方に「安全保障区域」を作ることを正当化するシリアの全面的な混乱と恐怖を作り出す。
3.レバノンで内戦を起こし、タクフィリ(Takfiri)のキチガイをヒズボラに解き放つ。
4.タフフィリとヒズボラが血を流し互いに死んでもらい、レバノンに「安全保障区域」を作る。
5.イラン-イラク-シリア-レバノンのシーア派枢軸の創立を防ぐ。
6.シリアを民族的、宗教的な線に沿って分割する。
7.トルコ、シリア、イラク、イランに対して使用できるクルディスタン地域を作る。
8.イスラエルが中東で最強の権力仲介人になれるようにし、サウジアラビア、カタール、 オマーン、クウェート、そして他のすべての国に、ガスや石油パイプライン・プロジェクトのために イスラエルに伺いを立てるよう強制する。
9.広範な地域連合軍と共に徐々にイランを孤立させ、脅威を与え、破壊し、最終的にイランに攻撃する。
10.中東におけるシーア派全ての拠点を除去する。


さあ、ここでやめて、簡単な質問をしよう:プーチンとネタニヤフが同じ側にいたら、 プーチンがイスラエルを支援するために何をしたらよいだろうか?  私は明白で確かな答えは絶対に何もないと考える。シリアへのロシアの介入(非常に限定的な、 しかし非常に効果的な)を開始した時点までは、それらの計画は完全な実現に向けて順調に進んでいた!

実際には、ヒズボラとイランはすでにシリアに介入しており、崩壊しかけているシリアの前線で必死に「穴を塞いでいた」。 だから何かあれば、プーチンはイスラエルに「計画A」を諦めさせ、「B」の計画に進ませることができた。 それは、ここで説明したように[注]、次のように要約できる。
[注]参照 => 戦争挑発屋 ザ・サーカー 2018.05.05

ステップ1は、プロパガンダのマシンと侵入した諜報員を使って、イランの軍事的核計画の神話を再開する。 (...)もしトランプがJCPOA(共同包括行動計画)はひどい取引だと言ったら、そうだと答える。 ヘイ、我々は「ポスト・スクリパル」と「ポスト・ドゥマ」の時代に住んでいる。 アングロ(またはユダヤ)指導者が、「可能性が高い」と言う人がいれば、誰もが即座に「連帯」を示して、 「反ユダヤ」または「陰謀論者」で告発されないようにする。 だから、第1段階は、イランの軍事用核兵器計画のデマへの再点火である。
ステップ2は、イスラエルが「生存を脅かされている」と宣言する(...)そして馬鹿なアメリカ人がイラン人と戦うようにする。


ロシアは中東でも、間違いなくシリアやイランでも、どこでも誰かを守る道徳的義務を負わない。 私はまた、プーチン大統領が中東での主要な戦争にロシアを関与させたくない多くの現実な内部的理由もあることを、 詳しく説明した[注]
[注]参照 => プーチンとイスラエル - 複雑で多層的な関係 ザ・サーカー 2015.12.23

最後に、イスラエルは、明らかに、イラン(または、より正確には、イラン関連またはイランが支援する)の 標的をシリアで攻撃することで、イランを餌で釣ろうとしている。 彼らは、イランが忍耐できなくなり、十分な火力で報復することを期待している。 それはイスラエルが、シリアの(比較的価値の低い)イラン関連の目標だけでなく、 イラン固有の目標への攻撃を正当化するためである。 かくしてイスラエルがイランに報復し、米国がイランに大規模な攻撃をかける大当たり賞を保証することになる。

さて、ロシアの行動をもう一度見てみよう。プーチンが「ネタニヤフと同じ側にいる」とすれば、 彼はイスラエル人がやっていること、つまりイランを餌で釣るのを助けるだろうか?  プーチンは本当に何をしたのか?

それは、すべての外国軍がシリアから去らなければならないと宣言したラヴロフ外相の声明で始まった。 私の理解は、ラヴロフの最初の声明からの直接の引用は無く、解釈されたフレーズだけが存在する。 ラヴロフは、後にコメントで明確にした。

しかしどちらが思い付きのコメントでどちらが公式なのかを判断しようとして泥沼にはまり込まないようにしよう。 まず次に気付くことから始めよう:ラヴロフは「すべての米軍は、 テロ勢力の敗北後シリアを去らなければならない」とも述べた。 イスラエルは何年もシリア・ゴランを不法に占領しており、IDF(イスラエル国防軍)は「シリアの外国軍」 の定義に正確に合致していると、皆さんは思い出して頂けるでしようか?

シリアによれば、そして率直に常識と国際法によれば、シリアはシリア政府が法的に駐留を要求している軍を除いて、 すべての外国軍がシリアを去る必要があると言っている。 だから、ロシアが、イランを含む(ラヴロフが実際にそう言ったと仮定して)すべての外国軍がシリアを去る 必要があると言ったら、UNSC(国連安全保障理事会)がその要求(外国軍の駐留)を承認しない限り、 彼ら(外国軍)にはそれ(駐留)を押しつける法的権限も他の権限は全くない。

イスラエルと米国が国際法やUNSC(国連安全保障理事会)を気にしないことを考えれば、 そのような決議が通過し、イランだけが強制されて退去し、イスラエルが無視する日が見られるかもしれない。 ここでのトリックは、実際には、シリアにおけるイランの「軍隊」はむしろ少ないことである。 それより多くの「顧問」(「軍」とはみなされない)と、実際には「イラン人」ではない親イラン軍が存在する。

ヒズボラもいるが、ヒズボラはどこにも行こうとしないし、彼らはレバノン人で、イラン人ではない。 イスラエルがヒズボラを「イランの軍隊」と主張しているのは間違いないが、基本的にナンセンスだ。 そして混乱に加えて、ロシアは今は気取って言っている: 「もちろん、シリア以外の部隊の撤退は相互に行わなければならない、これは相互協力でなければならない」。

すべての可能な言い換えと解釈の列挙をやめることができ、 ロシア人が彼らの声明で聖なる(または神聖な)混乱を作り出したことに同意する。 実際、私は聖なる(または神聖な)混乱に見えるものを、 非常に意図的で狡猾な曖昧さであるとさえ言いたい。

ゴラン高原

多くのロシアの情報源によると、この言い方はすべて、シリアとイスラエルの間の接触線 (法的には境界ではない)とシリア南部についてである。 取引は次のように見える:親イラン軍とヒズボラがシリア南部から出て行けば、 交換にイスラエルは、ロシア空軍と「軍事顧問」に支援されたシリア軍に南部の支配を奪還させる。 但し、不法占拠しているゴラン高原からイスラエルを追い出すことは除く。

言うまでもなく、取引の一環として、シリア南部の米軍は荷造りして去らなければならないと シリアは主張している[注]。 率直に言って、米国がシリアの支配領土内に小さな(無駄な)米国の飛び地を持つ計画をしない限り、 米軍が留まる理由が分からない。それだけでなく、ヨルダンもこの取引の一部であるようだ。 そして、ここが最良の部分である:ヒスボラとイランもこの取引の一部であるというかなり良い 証拠がいくつかある。何だと思いますか? トルコもそうの一部である。
[注]参照 => 違法な存在:米国はアル・タンフ基地から軍を撤退しなければならない 2018.06.03

これは、ある種の主要な地域的取引をロシアが苦労して考え出したように見える。 もしそれが本当に事実ならば、それはイスラエルとイランによる緊迫した否定を説明できるだろう。 そして、物事をさらに混乱させることに、我々は今、ストルテンベルグ[注]がイランが攻撃した場合、 NATOはイスラエルを援助しないと言っていることを知っている。 その宣言は、NATO事務総長が権力を持たないこと、80%+は米軍であり、 米国は現在イスラエル内に恒久的な「陽動部隊」を持っていて、 攻撃を受けていると主張できることを考えると、まったく無意味である。
[注]参照 => 核保有のイスラエルはなぜ恐れるのか? NATOはイランを攻撃した場合イスラエルを守らないと言っている 2018.06.02

そして、北部シリアから米国を追放する明らかなシリアの計画があり、予想通り、 アンクルサムはあまり好んではいない。だから双方は再び話している。

これらすべてが「プーチンとネタニヤフが同じ側にいる」という証拠のように見えるなら、 そうでないとあなたを説得するのに何が必要なのだろうか。 なぜなら私にはこれが3つのうちのどれか1つのように見える:

1.いくつかの重要な地域的取引が行われているか、
2.主要な地域的取引のある種のものが苦労して作られているか、
3.何らかの主要な地域的取引が行われたが、誰も他人を信用せず、 誰もが自分のために取引を有利にしたい。


もちろん、誰もがすべてを否定するか、勝利宣言して面子を守りたいと思っている。 特にアングロ・シオニストはそうである。

それでは重要な質問をしよう:プーチンやアサドが「イランを見捨てている」という証拠は何であろうか?

宣言と声明の領域から離れ、世界に戻る

簡単な質問から始めよう。イランは他の何よりも何を求めているか?

私は、イランの最大の最優先事項はイランに対する米国の大規模な攻撃を避けることであると考える。

逆に、イランに対してこのような攻撃を引き起こすことが、イスラエルにとっての第一の目的である。 彼らはそれについてむしろオープンである。彼らの最新のアイデアは、「イランに対する軍事同盟」を作る一方、 欧州で反ロシアの演習に参加してNATOを喜ばせようとしている。

存在しないイランの核開発計画がイスラエルを脅かしているためではなく、イランが最も成功した、 それゆえ危険な競合力を持つ、代替文明モデルをアングロ・シオニスト帝国と サウジ・ワッハーブの両方に提示していているからである。 さらに、イランは、ロシアとは違って、公然と「犯罪中の犯罪」を犯している。 すなわち大量虐殺、人種差別国家だと言ってスラエルを公然と非難している。 最後に、イラン(再度ロシアとは違って)は、真の主権国家である。 第五列との交渉に成功し、IMF/WB/WTO/などの鉄の爪の中から逃れた(私は先週それについてついて書いた。 ここで繰り返さない)。

私はまた、イランは中東の抑圧されたすべての人々に対する支援を最優先課題としていると考えている。 抑圧と不正への抵抗はコーランの要請であり、イランの解釈においてこれは非シーアのスンニ派、キリスト教徒、 ユダヤ人にまで広がると私は信じている。 しかしこれは世間知らず(またはシーアのデマ宣伝者だ)などというあらゆる種類の怒りの非難を引き起こすので、 地域の抑圧されたシーア派を助けることが、全ての非抑圧者を助けるよりも イランのリーダーにとっては重要だと言うことを私は認める。

世俗的に言えば、イランはイラク、シリア、レバノンのシーア派を守り支援しようとしていることを意味する。 実際に、2000年にレバノン南部のSLA(南レバノン軍)にヒズボラが示した驚くべき慈悲を考慮し、 現時点では、シリアの治安部隊はロシアの取引(あるロシアの分析家は率直に心配している)を受け入れ。 シリアの一部で最大限の抑制をもって行動している事実がある。 私は、イラン支援の軍がシリアをダーイシュから解放しているのは、誰もが望む最善であると考えている。

さらに、真実は、他の全ての欠点に対して、シリアのバース党政権は少数派に寛容であり、 ヒズボラは宗派や民族性にかかわらず常に全てのレバノン人を完全に守ってきた (他の人は私に同意しないかもしれない。しかし、ヒズボラとイランを数十年間研究した結果、 彼らは他の政治主体とは異なり、目的を宣言すると実際にそれに誠実であると、私は結論するに至った)。

だから、シーア派への最大の脅威は誰か? 私は、中東のすべての人々に議論したいと思う。 もちろん、ダーイシュのタクフィリ派(Takfiri)である。

そして、考えらえれる「大地域協定」のすべての変形版は共通して何をしているか? シリアからのダーイシュの排除である。

では、それはイランの利益に反しているか?

もちろん、そうではない。

真実は、「プーチンとネタニヤフが一緒に働いている」という証拠は、私にとっては絶対にない。 私が見ているのは、おそらく誰もが他の誰かを騙そうとしている多数の党派間で 何らかの取引が行われていることである。レアルポリティーク(ドイツ語、現実政治)は最悪で冷笑的である。 しかし、ロシアがイランを裏切ることはほとんどない。

誰もがやっているように見えるのは、ゴーゴリのクリスマス物語「The Night Before Christmas」で 鍛冶屋のバクーラがしたことである。 ロシアでは、悪魔は「悪」だけでなく、狡猾な/悪賢い/詐欺的な/不正な賢さをも意味する。 悪魔を騙そうとするのは、非常に危険で困難な作業であり、道徳的にも非常に問題がある。 しかし、現代の中立的な「現実的」な時代精神では、純粋にシニカルで実用的な理由により 「プーチンがイランを裏切る」との嘘を暴くこともできる。

まだ見ていない人には、ルスラン・オスタシコのビデオ(英語字幕)を強く勧めます。 イスラエルがロシアとプーチンに提供できる、またはできないことを議論している。

[YouTube動画] Was Netanyahu able to convince Putin to surrender Iran? (Ruslan Ostashko)

オスタシコは絶対に正しい。 事実はイランと異なり、イスラエルはプーチンやロシアに提供できるものがほとんどないことである。 これは、イスラエルがクレムリンに影響を及ぼせないことを意味しない。確実に及ぼせる。 しかしその影響はすべて「こん棒」であり「ニンジン」ではない (これは、ロシアでシオニスト第五列の存在を否定する人達の概念的欠陥の1つである – 彼らは「ニンジン」を作り出せないのに「こん棒」を否定する。 かくしてロシアの政策を矛盾しておりかつ説明不能に見せかける: 従ってそれらを説明するにはあらゆる種類の精神的歪曲が必要になる)。

しかし、イスラエルの「こん棒」は、間違いなく大きいものの、イランの「ニンジン」のため小さく見える: 膨大な資源だけでなく、何10億ドル/ルーブル/リアル/ユーロがエネルギー、武器、多くの経済分野で使われる。 イランは中東全体で第一の地域大国であるという事実もある: 但し他の国々にその意志を押し付けるほど大きくはないかもしれない。 しかし承認していない大きな計画や政策を潰すには十分に大きい。 さらに、イランに対する国際的な制裁が正式に解除されたことで(米国が署名を取り消したにもかかわらず)、 イランは上海協力機構(他の中東諸国とともに)に加わり、影響力のあるメンバーになることができる。 このすべてが、イランの「ニンジン」をロシアにとって非常に魅力的にしている。

イランの「こん棒」という概念もある:イスラエルが思い通りにし、 イランがアングロ・シオニズム帝国から大規模かつ激しく攻撃され、混乱や深刻な危機が発生した場合、 ロシアと同盟国にどのような影響があるだろうか?  私はこれが起きるとは思っていないが、もしアングロ・シオニズム帝国がテヘランに 親アングロ・シオニズム政権を樹立し、イスラム共和国を打倒したとしよう。 ロシアの国家安全保障にとってそれはどうだろう? それは絶対的な悪夢だろうか?

エルドガンに対するクーデターの企ての前の、ロシアとトルコの関係を見てください。 確かに、その関係は現在イスラム共和国とロシアが享受している関係よりもはるかに悪かったですよね?  それでも、米国がエルドガンを打倒しようとしたとき、ロシアは何をしたのか?  ロシアはエルドガンに最大限のサポートを与えた。いくつかの噂によると、 キーとなる数時間に物理的な保護も与えた。 もしロシアがアングロ・シオニズム帝国に敵対してエルドガンに味方したのなら、 例えロシア自身の利益の議論だけを考えても、ロシアがイスラム共和国に味方しない理由はあるだろうか? 

ロシアとイランの同盟関係に関する優れた分析は、アラム・マゼイ(Aram Mirzaei)の この記事[注]をチェックしてください。
[注]参照 => シリア戦争が終わりに近づく時、ロシア、イラン、シリアの同盟は維持されるだろうか? 2018.05.23

結論

単純な真実は、中国、ロシア、イラン、シリア、そしてヒズボラは宣言と政治的声明にかかわらず、 互いに依存しており、帝国が一つずつ奪うことが無いように、本当に裏切ることはできないということである。 フランクリンの表現を借りると彼らはすべて一緒に絞首刑になる必要があり、 さもなくば確実に別々に絞首刑になるだろう。 それは彼らがお互いを愛している、あるいは常に同じ目標を共有していることを意味しない。 彼らはまた、ある程度はお互いに対戦するかもしれないし、 アングロ・シオニストと甘い取引をするかもしれない (アサドはCIAのために拷問していたことを思い出してください!)。 しかし中東の地上と勢力関係の事実は、少なくとも予見可能な将来において、 そのような「小さな裏切り」の範囲を制限するだろう。

確かに、考慮すべきサウジの要因がある。イスラエルとは異なり、サウジは「ニンジン」をたくさん提供している。 しかし、サウジはあまりにも傲慢で、すでにシリアだけでなくカタールでもロシアの利益に干渉しており、 彼らのイスラムブランドは本当にロシアの致命的危機である。

現在、大西洋統合主義者とユーラシア主権主義者は、クレムリンで均衡している。 前者はEUを米国から引き離して多くの金を稼ぐ一方、後者は特に南に向けて国家安全保障問題を担当している。 しかしこの均衡は本質的に不安定であり、アングロ・シオニズムの意味のある攻撃にで直ちに脅威を受けるだろう。

そうです、ロシアにはシオニストのロビーがあり、それは第五列として機能するが、きっぱりとノーである。 シオニストロビーはロシアのビジネスエリートの金銭的利益や、またはそれより優先度は低いが、 基本的なロシアの国家安全保障上の利益を完全に無視できるほど強力ではない。 それは米国とロシアの最大の違いの一つである。 ロシアは部分的にしか主権を持たないが、イスラエルの保護領や植民地と言うには程遠い。 そして、ロシアが部分的にでも主権を維持している限り、イスラエルの泣き言や脅迫にかかわらず、 イランを「見捨てる」ことはない。

私の個人的評価では、プーチンは非常に複雑で潜在的に危険なゲームをしている。 彼は一人ではなく、多くの「悪魔」を同時に騙そうとしている。 さらに、米国がオバマ以来すでに「合意能力喪失」であるならば、トランプとネオコン指導者は それをさらに悪化させた。

イスラエルについては、彼らは悪魔であることを正直に見せており、 イデオロギー的に正直に(または礼儀正しく)なれない。 率直に言って、私はエルドガンを少し信頼していないし、ロシアも彼を信頼するとは思わない。 私をうぶと呼びなさい。しかしこの戦争によってアサドが変わったと思う。 実際に彼が過去にCIAと協力したが、将来的にはロシアにとってかなり良い同盟になると思う。

アリ・ハメネイ最高指導者とハサン・ナスルッラーフに関しては、 彼らは名誉の男で正式に入ったどんな同盟(非公式の合意と一時的な相互利益は別の取引である)も 支持しするだろうと私は見ている。 私はまた、彼らを優れた賢明な地政学者と見なしている: 彼らはイランとヒズボラが生き残るためにロシアを必要としていることを完全に理解している。

プーチンの政策は危険なものの、失敗する運命にはまったくない: 地域戦争を避けながらシリアをアングロ・シオニストから救おうとしている。 時間はプーチンの側にある。 なぜならトランプの一貫性のない政策が日常的に帝国に多大な損害を与えているからである (ドミトリー・オルロフ(Dmitri Orlov)の優れた分析をここで参照[注])。
[注]参照 => ロシアの腹立たしい忍耐 - なぜ攻撃されたときに反撃しないのか? 2018.06.01

私は正直なところ、プーチンの危険な戦略がうまくいくかどうかはわからない。 私は他の誰も同じだと思う(もちろん無知のチアリーダーを除いて)。 しかし、モスクワでのセント・ジョージのリボンをつけたビビ・ネタニヤフの見解が 私の良心に吐き気を催させるとしても、これはネタニヤフとプーチンが一緒に働いていること、 あるいはロシアが「イランを見捨てる」ことを絶対に示してはいないことを私は知っている。 いつものように、イスラエルは全能だと思い、厚かましく傲慢さを示している。 そうさせておけば良い。過去のそのようなシオニストの傲慢さから必然的に起きた結果を覚えておき、 避けられないの「狼狽」を待てばよい。

最後に、一つの最も重要な事実がある:アングロ・シオニスト帝国とロシアは戦争中であり、 少なくとも4年以上続いている。その戦争はまだ約80%の情報、15%の経済、5%の運動)だが、 これは非常に現実的な戦争で拡大しつつある。 ロシアが部分的な主権を維持し、不完全とは言え代替的な文明モデル提示している限り、 ロシアは帝国の生存に対するな脅威でありつづけ、帝国はロシアの文明全体にとって依然として脅威である。

イスラエルにとって大変重要なことだが、イラン問題は国境を越えた帝国の指導者にとって枝葉の問題である。 彼らはロシアと中国を本当の競争相手とみなしている。 特に今日のように共生関係で結びついている時にはそうである。 それゆえウクライナと朝鮮半島の危機があり、起こりえる全面核戦争への 警告がなされている(エリック・ズエス(Eric Zuesse)の最近の記事、 ポール・クレイグ・ロバーツのウェブサイトでの多くの記事、 ダン・グレーズブルック(Dan Glazebrook)の韓国で「ランブイエの策略」を繰り返そうとする トランプの試みの優れた分析)。

たとえプーチンがEUをロシアに近づけ、(明白に狂気の)米国から遠ざけても、 そしてアングロ・シオニズムがイランを直接攻撃するのを阻止することに成功したとしても、 アングロ・シオニスト帝国の指導者は、ロシアは、排除されなければならない究極の悪だと、 再認識させるだけである。帝国とロシアの間に何らかの暫定協定を望む人々は、自分を偽っている。 なぜなら、帝国の本性がそれを不可能にするからである。 さらに、ドミトリー・オルロフが正しく指摘したように、帝国の覇権は急速に崩壊しつつある。

帝国の宣伝機械はこれを否定し、複雑化して曖昧にし、それを信じない者は見ない。 しかし帝国の指導者はこれを全て理解しているので、ネオコンがホワイトハウスで権力を取り戻して以来、 全ての前線で紛争が拡大しているのを我々は目撃している 。 もしネオコンが現在のコースを継続するならば、私には彼らが再考している兆候は見えないが、 問題はいつどこでこれが最初の全面戦争になるだろうか、という問題だけである。 あなたの推測は私と同様に正しい。


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[1] イスラエル、サウジアラビアはヒズボラとの戦争の前提条件を設定する2017.11.17
[2] 戦争挑発屋 ザ・サーカー 2018.05.05
[3] プーチンとイスラエル - 複雑で多層的な関係 ザ・サーカー 2015.12.23
[4] 違法な存在:米国はアル・タンフ基地から軍を撤退しなければならない 2018.06.03
[5] 核保有のイスラエルはなぜ恐れるのか? NATOはイランを攻撃した場合イスラエルを守らないと言っている 2018.06.02
[6] シリア戦争が終わりに近づく時、ロシア、イラン、シリアの同盟は維持されるだろうか? 2018.05.23
[7] ロシアの腹立たしい忍耐 - なぜ攻撃されたときに反撃しないのか? 2018.06.01