リンク:記事一覧 [元記事] Whose Wars? Patrick J. Buchanan, March 24, 2003, The American Conservative http://www.theamericanconservative.com/articles/whose-war/ [著者]
[訳者コメント] この記事はThe American Conservative(TAC)の創刊記事である。パット・ブキャナンはTACの創立者の一人である。 TACの創立目的はイラン戦争に反対することであったという。当然ながらこの記事はユダヤ・コミュニテーから激しく非難されたようだ。 イラク戦争の経過を見ると、2003年3月20日開戦、4月9日バグダット陥落、4月14日イラク全土制圧、5月1日イラク戦争終結宣言である。 この記事が投稿された4月24日は、イラク全土制圧の10日後である。つまり戦争のニュースが毎日流れる中で原稿を書いていた。 この記事で、「戦争ドラムを叩いている(Beating the War Drums)」の節は重要である。 2001年の9/11同時多発テロのすぐ直後に攻撃対象が決められてゆく過程が詳しく述べられている。 注意すべきな点は、これらの計画は9/11以前から検討されていた点である。 ネオコンの攻撃対象はレバノン、リビア、シリア、イラク、イラン、中国で、 さらにアルジェリア、エジプト、スーダン、サウジアラビア、ヒズボラ、ハマス、 パレスチナ自治政府までを加える案も提出されている。 2007年、Democracy Now! のインタビュー(YouTube)でウェスリー・クラーク(Wesley Clark) 元アメリカ陸軍大将のが言った「イラクから初めて、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、 そして最後にイランという順番だ」という証言と良く一致している。 なおクラーク大将がこの計画を知ったのは、9/11の数週間後にペンタゴンを訪れた時だと述べている。 つまり9/11以前に計画は決められていた。
戦争党は戦争を手に入れたかもしれない。しかしそれはまた予想外のものも手に入れた。 戦争党の会員リストと団体は公開され、その動機は非難されている。 アメリカのジャーナリズムの稀な瞬間に、ティム・ラサートはこの質問をリチャード・パールに直接尋ねた。 「米国の視聴者に約束できますか? 我々は反サダム・フセインで、米国の安全保障のために 彼を打倒する立場にいるのですか? そして、イスラエルの見地からの関係は何ですか?」 突然、イスラエルとの関係がテーブルの上に置かれ、戦争党は面白くない。 予期せぬ銃撃戦の中にいることに気づき、ネオコンの友人たちは当然のように、 迫害された少数派グループの立場を主張して、政治的戦闘から学生の徴兵延期を求めている。 世界の超大国の外交政策を書いていると主張する人々は、政治の校庭ではもう少し男らしいと思うでしょう。 そうではありません。 ウォールストリート・ジャーナルの元編集長マックス・ブートがキャンペーンを開始した。 ブキャナン主義者が「ネオコンサーバティブ」について議論し、 ウォルフォウィッツやコーエンのような名前を挙げて、本当の意味が時々 「ユダヤコンサーバティブ」のように聞こえる、と言っている。 さらにブーツは、イスラエルへの情熱的な愛着が「ネオ・コンサーバティブの重要な教え」であると簡単に認めている。 また彼は、ブッシュ大統領の国家安全保障戦略は「ネオコンの聖書であるコメンタリー誌(Commentary Magazine)の ページから直接出てきたように見える」と主張している。 (初心者には、コメンタリー誌はブートが神の教えを求めるネオコンの聖書で、米国ユダヤ委員会の月刊誌である)。 ウィークリー・スタンダードのデイヴィッド・ブルックスは、イスラエルと結びついた攻撃が、 彼を個人的な地獄に送り込んだと嘆いている。 「今、私には反ユダヤの長いEメールがボイスメール、メールボックスに規則的に送られている。 ・・・反ユダヤ主義は生きており盛んです。その震源地はもはやブキャナン主義の右翼ではなく、平和運動の左翼です」。 ワシントン・ポスト紙のコラムニストであるロバート・ケーガンは海外で彼自身の煉獄に耐えている。 「ロンドンでは、英国最高の精神が、洗練された言語と美しいオクスブリッジのアクセントで、 「ネオコンサーバティブ」が米国の外交政策をハイジャックしたというパット・ブキャナンの陰謀説を提出している。 ニューリパブリック(New Republic)のローレンス・カプランは、我々の小さな月刊誌は 「ブッシュ大統領が、アリエル・シャロンとネオコン戦争党の顧客になってしまった、 と主張する人々の公開討論誌」になったと言っている。 カプランはチャールズ・リンドバーグを引用して、ポール・シュレーダー、クリス・マシューズ、 ロバート・ノヴァク、ジョージ・アン・ガイヤー、ネーション誌のジェイソン・ベスト、 ネイションズのゲーリー・ハートらが「ブッシュチームのメンバーがイスラエルの入札をしており、 その延長上で二重忠誠心を誇示している」と仄めかしていると言って非難した。カプランは大声で次のように言っている: そのような主張の本当の問題は、嘘だいうことではない。問題は有害だということである。 批判と討論を黙らせるために二重忠誠心の悪影響を引き合いに出すのは、日々の談話の汚染以上である。 それは談話を無効化してしまう。どうして民族性を根拠とする非難に反論できるのか? この非難には、事実上、反論のしようがない。彼らはそれを狙っている。 ここで何が起こっているのか? スレート(オンライン・マガジン)のミッキー・カウスは、彼の鋭い反論で核心を突いている: 「ローレンス・カプランは反ユダヤ主義のカードを使っている」。 カプラン、ブルックス、ブート、ケーガンは、最近ジェシー・ジャクソンが人種差別だと非難した フォーチュン500社から巨大な寄付をもらったことが世間に知られた時と同じことをやっている。 彼は人種カードを使う。だからネオコンも同様に、自らの本性を隠し、批評家の動機を非難してかわそうとしている。 確かに、「反ユダヤ主義」の非難は有害である。この昔からの非難は、敵を中傷し、脅迫し、彼らを検閲し、 それらを出版する者をブラックリストに載せて、公開討論を無効にするように考えられている。 ネオコンはユダヤ人だから、我々が彼らを攻撃すると言っている。 そうではない。彼らの戦争屋が我が国を脅かすから、彼らを攻撃するのである。 アリエル・シャロン[1]に確実な反響を見つけたときに攻撃する。 訳者注[1] アリエル・シャロン(元イスラエル首相): サブラーとシャティーラでのパレスチナ人大虐殺(1982年)の張本人 => 人道に対するイスラエルの犯罪: サブラーとシャティーラ大虐殺(1982年)の追悼 2018.03.21 そして今回は、少年たちが「狼」をあまりにも頻繁に泣き叫んだ。それはうまく行っていない。 カウスが指摘するように、カプランのニューリパブリックにはハーバード大学の教授スタンリー・ホフマンがいる。 戦争を騒々しく要求しているこの首都の4つの権力中枢について、ホフマンが次のように述べている。 そして最終的に、ユダヤ国家と米国の利益が同一であることを信じるイスラエルの友人達の緩やかな集まりがある。 ・・・これらの分析家は、1つの支配的な関心のレンズを通して外交政策を見ている:それはイスラエルにとって良いか悪いか? 1948年の同国の創設以来、これらの思想家は国務省では良い評判ではなかったが、 現在はポール・ウォルフォウィッツ、リチャード・パール、ダグラス・フィースのような戦略家がペンタゴンの周りにいる。 「もしスタンレー・ホフマンがこれを言えるなら、なぜクリス・マシューズは言えないのか?」。 カウスはまた、カプランはネオコンを(イスラエルの)シャロンとリクード党(イスラエル与党)に 結びつけようとする次の最も衝撃的な一編には何ら言及しなかったことに注目している。 ワシントンポスト紙の2月9日のフロントページの記事で、ロバート・カイザーは米国の上級管理職の言葉を引用している。 「今やリクード党(イスラエル与党)は本当に(米国政治を)掌握している」。 カイザーは行政府内の親イスラエルネットワークのメンバー としてパール、 ウォルフォウィッツ、フィースの名前を挙げている。 そして国防総省のデビッド・ワーラムサーと国家安全保障理事会のエリオット・エイブラムスを加えた。 (エイブラムスはコメンタリ誌の名誉執筆者のノーマン・ポドレツの義理の息子で、 数十年にわたってイスラエルに対する批評家に反ユダヤの烙印を押してきた)。 カイザーは、シャロンがブッシュ派に「特別な親密性」を繰り返し要求しているのはなく、 「米国政府とリクード政権がほとんど同じ政策を追求しているのは初めてだ」と書いている。 それは確かにシャロンの利益であるが、米国の利益なのだろうか? 真実の時である。アメリカは重大な決断をしようとしている:一連の中東戦争を起こすかどうか。 それはハーバード大教授サミュエル・ハンティントンが警告している文明の衝突に点火する可能性があり、 この共和国にとって悲劇であり災害となるだろうと我々が考えている戦争である。 この戦争を避け、ネオコンの中傷に答えるために、私たちは読者が彼らの言葉で述べている アジェンダを見直すようお願いする。 日光が最良の殺菌剤である。アル・スミスは、「アメリカ的でないものは太陽の下に住むことはできない」とよく言っていた。 我々は、論客や公務員たちの秘密結社が、アメリカの利益にならない一連の戦争に 我が国を陥れようとしているので非難している。 我々は、ネオコンがイスラエルと共謀して戦争に点火し、オスロ合意を破壊しようとしているので非難している。 我々はネオコンが意図的にアラブ世界のすべての国と米国の関係を傷つけているので非難している。 アラブ世界はイスラエルを拒絶するか、パレスチナ人の故郷へ戻る権利を支援しているだけである。 我々は、ネオコンが傲慢、不遜、嫌悪感で、イスラムと西側世界の友人や同盟国を離反させたので非難している。 我々の生涯では、米国は古い友人からそれほど孤立していない。 さらに悪いことに、ブッシュ大統領は、これらのネオコンの餌つきの罠に引き寄せらている。 それは彼の執務室を犠牲にし、冷戦時代に2世代の犠牲を払って米国が勝ち得た数年間の平和を失う可能性がある。 彼らは我々を反ユダヤ主義だと非難する。すなわち信仰、遺産、祖先のためのユダヤの憎悪である。 嘘である。真実は、これらの非難を浴びせる者は、我々の国ではない国に「情熱的な愛着」を抱いている。 彼らは自国の利益に従い、どういうわけかイスラエルに良いことはアメリカにも良いことだという前提で行動する。 ネオコンサーバティブ ネオコンとは誰か? 第一世代は、元自由主義者、社会主義者、そしてトロツキー主義者で マクガバン革命のボート難民であった。 それは1980年にロナルド・レーガンと一緒に権力へ向かう保守主義の長い行進の終わりに、共和党に筏で流れ着いた。 当時のケビン・フィリップスが書いたネオコンは、煉瓦職人よりは雑誌編集者になりそうだった。 今日ではアメリカ企業研究所(AEI)、安全保障政策センター(Center for Security Policy)や 国防問題ユダヤ人研究所(JINSA)などのクローンのような公共政策研究所の住人である可能性が高い。 一言で言うと、ネオコンはエイブラムス戦車よりもシンクタンクの内部に詳しい。 ほとんど誰もがビジネス界や軍隊出身ではない。ゴールドウォーター運動の出身はほとんどいない。 彼らが思い出すヒーローは、ウッドロウ・ウィルソン、フランクリン・デラノ・ルーズベル(FDR)、ハリー・トルーマン、 マーティン・ルーサー・キング、民主党上院議員ヘンリー「スクープ」ジャクソン(ワシントン)、 パット・モイニハン(ニューヨーク)である。 すべては介入主義者で、イスラエルに対するスタハノフ運動(ソ連の炭鉱夫の生産性向上運動)の 支援を彼らの種族の特徴と見なす。 彼らの著名人には、ジーン・カークパトリック、ビル・ベネット、ミッシェル・ノバック、 ジェームス・Q・ウィルソンがいる。 彼らの出版物には、ウィークリー・スタンダード(Weekly Standard)、コメンタリー(Commentary)、 ニューリパブリック(New Republic)、ナショナルレビュー(National Review)、 ウォールストリート・ジャーナルの編集ページなどがある。 数は少ないものの、保守的な財団や雑誌の支配、シンジケート・コラムを通して、 そして彼らを権力者の傍に配置して不釣り合いな力を獲得する。 戦争ドラムを叩いている 冷戦が終わったとき、これらのネオコンたちは、彼らの生活に意味を与えるために新しい十字軍を唱え始めた。 9/11、彼らの時が来た。彼らは、その恐ろしい残虐行為を利用し米国の怒りを軽蔑すべき敵を破壊するため全面戦争へと導いた。 それらはアラブとイスラムの「悪の国家」で、米国の覇権に抵抗し、イスラエルをひどく嫌う国々である。 一方、戦争党の計画は9/11のずっと前から準備されていた。 そして、ブッシュ大統領が、タリバンを打倒し、テロとの戦いで新しい戦線を探していた時、 彼らは前もって調理した食事をブッシュの前に置いた。そしてブッシュはガツガツと食べた。 米国の将来の戦争の脚本家を紹介する前に、運命の日の後にネオコンが迅速で同期した反応をとったことを考えて欲しい。 9月12日、アメリカ人は依然としてショックを受けていた。 そのときビル・ベネットが、我々は「善と悪の闘い」の中にいるとCNNに語り、議会が「イスラム過激派」に宣戦布告し、 「圧倒的な力」を行使しなければならないと語った。 ベネットは、レバノン、リビア、シリア、イラク、イラン、中国を攻撃対象とした。 しかし、オサマのテロリストの聖域であるアフガニスタンは含まれていない。 どうしてベネットは、誰が米国を攻撃したか分かる前に、破壊されるべき国々を知ったのか? ウォール・ストリート・ジャーナルは、具体的な目標リストを直ちに提示した。 それは「シリア、スーダン、リビア、アルジェリア、おそらくはエジプトの一部のテロリストキャンプ」 であり、アメリカの空爆を呼び掛けた。ベネットの6カ国のどの国も、これら5カ国のどの国も、9/11と関係なかった。 9月15日、ボブ・ウッドワード(ワシントン・ポスト編集主幹)の「戦争時のブッシュ」によると、 ポール・ウォルフォウィッツは、「アフガニスタンよりもイラクへの米国の攻撃を正当化する軍事的意見を出した」と述べた。 ウォルフォウィッツは戦時内閣で「アフガニスタン攻撃は不確実だ」と述べた。 ・・・イラクは簡単に壊れるだろう脆弱な圧制政権だった。それは可能だった。 9月20日には、40人のネオコンが、ブッシュ大統領に、テロとの戦いがどのように行われるべきかについて、 ホワイトハウスに公開書簡を送った。 ベネット、ポドレツ、カークパトリック、パール、クリストル、ワシントン・ポストのコラムニスト、 チャールズ・クラウトハマーが署名したこの手紙は、最後通告だった。大統領は次のように言われた。 署名者の支持を維持したければ、ヒズボラを破壊の標的とし、もしヒズボラとの関係を断つことを拒否すれば、 シリアとイランに報復し、サダムを打倒しなければならない。 イラク攻撃(2003年)のいかなる失敗も「国際テロとの戦いでは、早期に、そしておそらく決定的な降伏になるだろう」と 署名者はブッシュに警告した。 最高指揮官(大統領)に言う知識人の秘密結社がここにあった。米国への攻撃の9日後のことである。 もし彼(大統領)が彼らの戦争計画に従わなかった場合、テロに降伏したと告発されることになる。 しかし、ヒズボラは9/11とは関係がなかった。ヒズボラは何をしたか? ヒズボラはイスラエル軍をレバノンから追い出してイスラエルに恥をかかせた。 ブッシュ大統領は警告を受けていた。彼は9/11の攻撃を利用して、アラブ政権との一連の戦争を開始したが、 その政権のどれも我々を攻撃していなかった。しかし、そのすべてはイスラエルの敵だった。 「ビビ(Bibi)」ネタニヤフ元イスラエル首相は、現代のシチズン・ジェネ[2]のように、 「テロの帝国」を打倒を我々に呼びかけ米国のテレビのどこにでも出演した。 「その帝国」は、ハマス 、イラン、イラク、そして「パレスチナ自治区」であることが判明した。 訳者注[2] シチズン・ジェネ(Citizen Genet):米国に送られたフランス大使 シチズン・ジェネ事件は、スペインと英国とのフランス戦争に対する米国の支援を促進するために、 ジェネが米国に派遣された1793年に始まった。 1794年1月までにフランスで権力を握ったジャコバンは、ジェネにフランスに帰国するよう逮捕通知を送った。 ジェネは、彼がギロチンに送られる可能性が高いことを知って、ワシントンに亡命申請を求めた。 これらの政権やグループのいくらかは厄介かもしれないが、米国に何かしたのか? 戦争党は、米国が再考する前に中東戦争を起こすことを熱望していたようだ。 新米世紀プロジェクト(Project for the New American Century:PNAC)のトム・ドネリーは、イラクへの即時侵攻を求めた。 「攻撃は50万人の軍隊の展開を待つ必要はない。 ・・・戦闘が終わった後、より大きな課題(保安、警察活動)がイラクを占領するだろう」と彼は書いている。 ドネリーはナショナル・レビューのジョナ・ゴールドバーグに次のように語った。 「米国はイラクと戦争する必要がある。米国はこの地域のどこかと戦争する必要があり、イラクが最も適切である」。 ゴールドバーグは元ペンタゴンの公式マイケル・レディーンの「レディーン・ドクトリン」を支持した。 ゴールドバーグはこう述べている:「10年かそこら毎に、米国は小さな泥だらけの小さな国を拾って壁に投げつける必要がある、 世界にビジネスを示すために」。 (ロンドンのフランス大使が、ディナーパーティーで、なぜ「つまらない小国」- イスラエルを意味する - のために第三次世界大戦の危険を冒す必要があるのかを尋ねた時、ゴールドバーグの雑誌は面白がらなかった)。 しかし、レディーンは軽率ではない。テロの教師との戦いで、彼はアメリカが破壊しなければならない政権を正確に特定する: まずは、我々はテロ政権であるイラン、イラク、シリアの3大国を打倒しなければならない。 それから、サウジアラビアと取り組む必要がある。 ・・・一旦、イラン、イラク、シリア、サウジアラビアの暴君が倒れたら、我々は引き続き仕事を続ける。 ・・・我々は民主革命の実現を確実にしなければならない。 ・・・安定性は、米国の使命として価値のない誤解を招く概念である。 我々はイラン、イラク、シリア、レバノン、さらにはサウジアラビアのおいてすら安定を望まない。 我々は状況を変えたい。実際の問題は安定ではなく、いかに不安定化するかである。 「米国の使命として無価値な」安定性を拒否し、レディーンはアメリカの本物の「歴史的使命」を定義する。 創造的破壊は、我々の社会でも海外でも我々のミドルネームである。 ビジネスから科学、文学、芸術、建築、映画、政治、法律まで、毎日古い秩序を破壊する。 我々の敵はいつも、伝統(それが何であれ)を脅かすエネルギーと創造性の旋風を憎んできた。 ・・・歴史的な使命を果たすためには、それらを破壊しなければならない。 このような一節は、ロバート・タフトよりもレオン・トロツキーに負っている。 ネオコンサーバティブのジャコバン主義を裏切っており、真の保守主義の概念とは相容れない。 ウィークリー・スタンダードで、レディーンの敵のリストはあまりにも限定的だった。 我々は、テロネットワークとテロリストを匿う国々との戦争を宣言するだけでなく、 「将来的にそのような人々を支援したり承認しそうないかなるグループや政府」 に対しても戦争を起こさなければならない、とウィークリー・スタンダードは書いた。 ロバート・ケーガンとウィリアム・クリストルは、ハルマゲドンの見通しに興奮して目がくらんでいる。 来るべき戦争は 「広がり、多くの国を巻き込むだろう。 ・・・それは誰もが避けたがる文明の衝突に似ているだろう。 ・・・いくつかの「穏健な」アラブ政権の終焉が間近である可能性がある」。 コメンタリ誌のノーマン・ポドレツは、クリストルのウィークリー・スタンダードを上回り、 我々は文明の戦争を受け入れるべきだと熱狂して語っている。 「イスラム過激派に対して第四次世界大戦を戦う」ことがジョージ・W・ブッシュの使命だからである。 彼の数え方では、打倒されるに値する政権は、3つの悪の枢軸 (イラク、イラン、北朝鮮)だけに限定されない。 最低でも、その枢軸はシリアとレバノン、リビア、そしてサウジ王家やエジプトの ホスニー・ムバラクのようなアメリカの「友人」、そしてパレスチナ当局まで広げられるべきである。 ブッシュ大統領は、「矯正できないほど慎重なコリン・パウエル」の「臆病な顧問団」 を拒否すべきであるとポドレツは書いた。 そして「敗北したイスラム世界に新しい政治文化を与える勇気ある男を見つけなければならない」。 アルカイダとの戦争はタリバンを破壊する必要があったからである、とポッドレツは書いた。 我々は、否応なしにイスラム世界(ヤシール・アラファトのパレスチナ当局などテロ支援者を含む) の5、6、7以上の独裁政権を転覆させるよう強制された。 私はこの戦争の混乱によって、米国にとっての帝国の使命を何か新しいものに導くことも想像できる。 それは現在の独裁政権よりも改革と近代化がより受け入れられやすい地域の後継政府の出現を監視することである 。・・・私はまた、サウジアラビアの油田を米国の保護領にすると想定することもできる。 なぜ7,000人の王子が、私たちと他の誰に対しても大きな支配力を持つことが許され続けられるのか、 ますます疑問に思うからである。 ポドレツは「第四次世界大戦」というフレーズのエリオット・コーエンを信用している。 ブッシュはその後、コーエンの本を持ち歩いているのを目撃されている。 その本はウィンストン・チャーチルやダヴィド・ベン=グリオン(元イスラエルの首相)などの指導者たちを示して、 戦争時の軍の文民統制を称賛している。 ポドレツ、ベネット、レディーン、ネタニヤフ、ウォール・ストリート・ジャーナルが破壊の標的と 見なす政権のリストは、アルジェリア、エジプト、スーダン、レバノン、シリア、 イラク、サウジアラビア、イラン、ヒズボラ、ハマス、パレスチナ自治政府、そして「戦闘的なイスラム」を含む。 誰の利益になるのか? 米国にとって石油を除いて死活的なものを持たない地域でこれらの終わりのない戦争は、 誰の利益になるのか? 石油? アラブ諸国は生きるためにそれを我々に売らなければならない。 西側諸国とイスラム諸国の間の文明の衝突の戦争で誰が利益を得るのか? 答え:1つの国、1つのリーダー、1つの党。 それはイスラエル、シャロン、リクード党。 確かに、シャロンはどこでも米国の信奉者のエコーであった。 2003年2月、シャロンはサダム政権が崩壊した後、米国がイラン、シリア、リビアの 武装解除は「死活的」だと議員使節団に語った。 「イラク戦争(2003年)後、中東をどう再構築するかに大きな関心がある」と 国防大臣のショール・モファズは、アメリカの主要ユダヤ人組織協議会で語った。 米軍がバグダッドに進軍した後、米国は「政治的、経済的、外交的圧力」をテヘランにかけるべきであると、 モファズはアメリカのユダヤ人に忠告した。 ネオコンはイラクとの戦争が(米国に)友好的なアラブ政府を崩壊させると心配しているだろうか? 全然。彼らは歓迎するだろう。 「ムバラクに大きな力はない」と、リチャード・パールはエジプト大統領について言う。 「確実に我々はムバラクよりうまくやれる」。 イラク戦争が、エジプトとサウジアラビア政府を転覆させる可能性について、 元国連大使ケン・アデルマンは、ワシントン・マンスリー誌のジョシュア・ミカ・マーシャルに 「私に言わせれば、全て良くなる」と答えた。 2002年7月10日、パールは、リンドン・ララッチ(政治家)の補佐官ローレイン・ムラウィックを 招待して国防政策委員会(Defense Policy Board)で演説した。 ヘンリー・キッシンジャーをギョッとさせたブリーフィングで、ムラウィックは米国の 「悪の中核、主原動力、最も危険な敵」としてサウジアラビアを名指した。 ワシントンはリヤドに最後通告を与えるべきだ、と彼は言った。サウジアラビアに対し 「テロ連合に関係する者を、その諜報機関を含めて起訴するか孤立化させる」、 そしてイスラエルに対する全てのプロパガンダを終わらせるか、 我々がサウジを侵略して油田を奪いメッカを占領するか、のどちらかである。 「イラクは戦術的な軸であり、サウジアラビアは戦略的な軸であり、エジプトは賞品だ」。 漏洩したムラウィックのブリーフィングの報道は、もし米軍が偉大なモスクの敷地を 踏みにじったら、イスラム世界はどう反応するかという疑問は指摘しなかった。 これらのネオコンが求めているのは、イスラエルにとって世界を安全にするためにアメリカ人の血を 徴兵することである。彼らはイスラムとアメリカの兵士に必要ならば死を押しつけ、剣による平和を望んでいる。 ワシントン・タイムズの編集者アルノー・ド・ボルシュグラーブは、これを「ブッシュ - シャロン・ドクトリン」と呼んだ。 彼は、「ワシントンのリクード党員は、ブッシュが大統領就任を宣言して以来、 中東での米国の政策を担当してきた」と書いた。 ネオコンはアメリカ帝国を求め、シャロン派は中東の覇権を求める。 2つのアジェンダは正確に一致している。 そして、ネオコンは、イラクとイスラム戦士との戦争原因は 9月11日だと主張しているが、戦争計画の起源は遥かそれ以前に遡るのである。 領土の保全 主要草案作成者はリチャード・パールで、彼はスクープ・ジャクソン上院議員の補佐官だった。 パールは1970年、国家安全保障会議の機密情報をイスラエル大使と議論しているところを連邦盗聴で聞かれた。 1974年に発行された「ユダヤとアメリカ政治」で、スティーブン・D・アイザックスは次のように書いている。 「リチャード・パールとモリス・アミテイは連邦議事堂で親ユダヤの小さな軍隊を指揮し、 ユダヤ人の利益のためにユダヤ人の権力を指揮している」。 ニューヨーク・タイムズによれば1983年、パールはイスラエルの兵器製造業者から多額の支払いを受けたと報道した。 1996年、ダグラス・フィースとデビッド・ワーラムサーと共に、パールはネタニヤフ首相のために 「完全な停止:領土保全の新しい戦略」を書いた。 その中で、パール、フィース、ワーラムサーは、暗殺されたイツハク・ラビン(元イスラエルの首相)の オスロ合意を破棄し、新しい積極的な戦略を採用するようビビに強く勧めた。 イスラエルは、トルコとヨルダンと協力して、シリアを弱体化させ、封じ込め、さらには押し戻すことによって、 戦略的環境を作ることができる。 この試みは、イラク政権からサダムフセインを除去することに焦点を当てる。 これはイスラエルの重要な戦略目標であり、シリアの地域的野心を挫折させる手段となる。 ヨルダンは最近、イラクのハーシム家の復興を示唆して、シリアの地域的野心に敵対した。 パール、フィース、ワーラムサー戦略では、イスラエルの敵はシリアのままであるが、 ダマスカスへの道はバグダッドを通ることになる。 イスラエルに「先制攻撃の原則」を再確立するように勧める彼らの計画は、現在、米国のペール、 フィース、ワーラムサーによって押しつけられている。 1997年の論文「イスラエルの戦略」で、フィースはイスラエルに「血の代償は高い」が、 「パレスチナ自治権の支配地域」を再占領するよう圧力をかけた。 ワーラムサーはアメリカン・エンタープライズ公共政策研究所(シンクタンク)の学者として、 イスラエルと米国の共同戦争計画を起草した。「中東の急進派の中心に致命的な攻撃を加えること。 イスラエルと米国は、ダマスカス、バグダッド、トリポリ、テヘラン、ガザなどの政権、 すなわちこの地域の急進派の中心に対して武装解除だけでなく、激しい攻撃を与えるべきである。 そうすれば、米国やイスラエルと戦うことが自殺行為だという認識を確立するだろう」。 彼は危機の監視をしている両国に勧告した。彼は「危機は機会になる可能性がある」と書いた。 ワーラムサーは9/11の9ヶ月前の2001年1月1日に米国とイスラエルの戦争計画を発表した。 ペール、フィース、ワーラムサーの秘密結社ついて著者マイケル・リンドは次のように書いている: ペール、フィースが所属する急進的なシオニストは、数は少ないが、共和党の政策立案者にとって大きな力となっている。 これは最近の現象であり、多くの元民主党のユダヤ知識人がレーガン連合に参加した 1970年代後半と1980年代にまでさ遡る。 これらの強硬派の多くは、民主主義のための世界的な十字軍について公に話しているが、 ネオコンの主な関心事は、イスラエルの力と名声である。 ペールは現在、国防政策委員会諮問委員会(Defense Policy Board Advisory Committee)の議長を務めており、 フィースは国防総省副長官であり、ワーラムサーは軍備管理(Under Secretary for Arms Control)特別補佐官である。 ジョン・ボルトンはペール - シャロン路線を忠実に反映している。イスラエルの日刊紙ハアレツによると、2月末には、 ジョン・ボルトン事務次官は、イスラエル当局者との会議で、米国は疑いなくイラクを攻撃するとし、 その後シリア、イラン、北朝鮮の脅威に対処する必要があると述べた。 1998年1月26日、クリントン大統領は、手紙を受け取った。 それは一般教書演説でサダムフセイン政権を「アメリカの外交政策の目的」として除去し、 「外交は失敗しつつある」ので軍事行動を懇願するものだった。 クリントンがこれを行うために、署名人は「困難ではあるが必要な努力で完全な支援を提供する」と約束した。 その約束に署名したのは、エリオット・アブラムス、ビル・ベネット、ジョン・ボルトン、 ロバート・ケーガン、ウィリアム・クリストル、リチャード・パール、ポール・ウォルフォウィッツだった。 9/11の4年前にネオコンはバグダッドを心に描いていた。 ウォルフォウィッツの基本外交政策 訳者注[3] アンドリュー・ベースヴィッチ 陸軍士官学校卒業後、ベトナム戦争に従軍。湾岸戦争後に退役。ブッシュの予防戦争を不道徳的、非倫理的、無分別であると批判。 彼の息子も陸軍将校だったがイラク戦争で2007年5月に戦死。ネオコンにこのような立派な人はいない。 1992年、驚くべき文書がペンタゴンのポール・ウォルフォウィッツの事務所から流出した。 ワシントン・ポストのバートン・ゲルマンは、「次の世紀に向けて国家の方向性を決定する助けとなる機密の青写真である」と言った。 ウォルフォウィッツのメモは、議会に呼び掛けたもので、6大陸での米軍の駐留で、 全ての競争相手国がより大きな地域勢力になるか、世界的役割を果たすようになることを阻止する」。 冷戦で勝利した戦略である封じ込めは、「新秩序を樹立して守る」という野心的な新しい戦略に道を開いた。 ウォルフウィッツメモは1992年に非難され、却下されたにもかかわらず、2002年9月21日にブッシュ大統領が発行した 33ページの米国国家安全保障戦略(NSS: National Security Strategy)の政策となった。 ワシントン・ポストのティム・ライヒは、「米国外交政策の分岐点」になったと書いた。 それは50年以上継続して大統領を導いてきた根本原則である「封じ込めと抑止」を逆転させものだった。 ボストン大学のアンドリュー・ベースヴィッチ教授は、その国家安全保障戦略(NSS)を 「息を呑むユートピア主義と露骨に偽装したパワー・ポリティクスとの融合」に驚くと書いている。 まるでそれが、冷静で、表面的には保守的な共和党員の成果ではなく、 ウッドロー・ウイルソンと(ドイツ)陸軍元帥フォン・モルトケとのありえない協力の成果のようであると述べた。 同紙は、米国の敵対国と対決して「必要ならば、単独で行動し、先制攻撃で自衛権を行使することを躊躇しない」 と宣言している。 それは次のことを意味している。米国とライバルになる権力を求めるいかなる国も、米国との戦争を自ら招くだろう: 大統領は、10年以上前のソビエト連邦崩壊以後、どの国であろうと米国がつかんだ圧倒的な 優位に追いつくことを許すつもりはない。 ・・・我々の軍隊は、潜在的な敵が米国を上回るか、同等な軍隊の建設を思いとどまらせるに十分なほど強力になるだろう。 米国は「大規模な国家建設と出口戦略なし」の時代に慣れなければならない、とロバート・ケーガンは指摘する。 しかし、このパックス・アメリカーナを、ハリー・エルマー・バーンズが 「永続的な平和のための永続的な戦争」と呼んだ時代に我々を導くのは公平だろうか。 ミュンヘンカード ページ最後の訳者注[4] ブッシュ大統領は2001年9月20日に、もしイラク攻撃に失敗した場合、テロとの戦いでの「決定的な降伏」 と非難されると警告された。またイスラエルへ圧力をかけることは禁止であるとも通告されていた。 ネオコンが反ユダヤ主義のカードを使ったので、さらにミュンヘンカードを使うことも躊躇しないだろう。 1年前、ブッシュ大統領がヨルダン川西岸からの撤退をシャロン首相の呼び掛けた時、 ネビル・チェンバレンがチェコで行ったことを、イスラエルにさせることは許さないと反撃した。 安全保障政策センターのフランク・ガフニー(Frank Gaffney)は、すぐにアリエル・シャロンをバックアップした。 元米国のNATO司令官、ジョージ・ジュウラン将軍が、米国はイスラエルとパレスチナに 平和をもたらさなければならないと述べた時、彼も宥和政策の告発に直面した、とガフニーは書いた。 おそらくイギリスとフランスがミュンヘンで1938年に行った同盟国に対する裏切り行為以上だろう。 「平和を強要する」学校は、見かけ上、我々にヒットラーのドイツ国防軍と同じ役割を演じさせるように準備されていた。 それは(米国が)現代のズデーテン地方である西岸とガザ地帯、および多分エルサレムの一部を奪い取り、 ヤッセル・アラファトに返すように見せかける。 ポドレツはシャロンが言ったことが実質的に正しいと同意したが、ミュンヘンの類推を使用することは 政治的に賢明ではないと言った。 ブッシュ大統領は警告されている:ブッシュは平和と土地を交換するようにイスラエルに圧力をかけるべきかどうか。 彼の父親とイザック・ラビン(元イスラエル首相)が信じていたオスロ合意。 父親と同様に、反ユダヤ主義、ミュンヘンの宥和主義者であると言われて、 彼の大きなテントの内側でイスラエルとネオコン同盟から非難されることになるだろう。 ブッシュがシャロンを説得できなければ、平和はない。そして、中東に平和がなければ、我々に安全保障はなく、 テロが終わることはない。 その地域を旅行したほとんどの外交官やジャーナリストが述べているように、 米国が公平であること、シャロンを抑えること、イスラエルのやりすぎを非難することに失敗し、 イスラエルがパレスチナの領土を略奪する共犯になり、そして彼らの自決権の否定するならば、 テロリストとテロが増えているイスラム世界の反米主義を後押しすることになる。 結論を下そう。イスラエル国民はアメリカの友人であり、平和と国境を保全する権利がある。 これらの権利を確保する手助けをすべきである。 我々は国家として、6人の大統領が支持した道徳的な約束をした。 それはアメリカの栄誉であり、これらの人々が国を侵略され破壊されるのを見て大きな苦痛を被ることを許さないことである。 そして、我々はこの約束を守る必要がある。 しかし、米国とイスラエルの利益は同じではない。 しばしば衝突している。そうしたときには米国の利益が優先されるべきである。 さらに、我々はシャロン政権を「アメリカの親友」とは見なしていない。 ベン・グリオン(イスラエルの初代、3代首相)の時代から、イスラエル政権の行動はジキルとハイドであった。 1950年代、その諜報機関であるモサド(Mossad)は、新しいナセル政権と米国の関係を壊すために、 カイロの仕業に見せかけてエジプトで米国の施設を爆破した。 イスラエルは六日間戦争(第3次中東戦争)で、無防備のUSSリバティー号に対して繰り返し攻撃を命じ、 救命筏の銃撃を含め34人の米国船員を殺し171人を負傷させた。 この虐殺は、国家の犯罪行為として米国政府によって調査されなかったし、処罰もされなかった。 我々はすべてのユダヤ人市民にイスラエルに2万ドルを贈ったにも拘わらず、 イスラエルはパレスチナ人のインティファダの原因となっている入植地の建設をやめることを拒否した。 リクード党は我々の評判をラマラ(ヨルダン川西岸の都市)の泥と血の中を引きずって傷つけ、 ブッシュが要求した抑制を無視し、パトリオット、フェニックス空対空ミサイル、 F-16の技術をベースにしたラヴィ戦闘機を含む米国兵器技術を中国に売却した。 米国が直接介入してイスラエルのAWACSシステムの売却を阻止した。 イスラエルは、私たちの秘密を盗むためにジョナサン・ポラードを買収し、 モスクワに売却されたかどうかを確認する文書を返却することを拒否した。 クリントンがイスラエルとアラファトとの合意をワイ・プランテーション(歴史的建造物)での仲介しようとしたとき、 ビビ・ネタニヤフは署名する代わりにポラードの釈放をゆすり取ろうとした。 成功すれば反逆罪のヘビを国民の英雄としてイスラエルに戻せただろう。 我々の最も近い同盟国の英国人は、このように行動するのか? 我々は、大統領がしたことを賞賛すると繰り返し述べてきたが、 イスラム世界との無限の戦争というネオコンのアジェンダを捨てなければ、再選にはふさわしくない。 そのアジェンダは、彼が選挙で選ばれ、彼が守るべき国ではないある国の利益だけに奉仕するものである。 [関連記事] 戻る=>page top 元CIAの対テロリズム専門家フィリップ・ジラルディによる次の3編の記事は、本記事と同じ論調である。 特に[1]はパット・ブキャナンに敬意を払って同じタイトルにしている。 [1] 誰の戦争か(Whose Wars)? フィリップ・ジラルディ 2018.04.17 [2] イスラエルの戦争を戦っている フィリップ・ジラルディ 2017.11.28 [3] アメリカのユダヤ人はアメリカの戦争を推進している フィリップ・ジラルディ 2017.09.19 [訳者注] [4]ミュンヘンカード ミュンヘンカードという言葉は分かり難いかもしれないので説明を加える。 ズデーテン地方は元々ドイツ(プロイセン)の領土であった。 第一次世界大戦を終結させるために米国大統領ウッドロウ・ウィルソンが1918年1月に提案したのが十四か条の平和原則であった。 この中に民族自決の原則があり、ドイツ、オーストリアの領土は保全されるはずであった。 ドイツは英、仏、ロシアと戦い負けたわけではなかった。 4年間戦い英、仏、露は一歩もドイツの土を踏むことはできなかった。 しかし英、仏はウィルソンの提案を無視し、ズデーテン地方をチェコに割譲した。 ヒトラーが政権につきドイツ経済・軍備が復興すると、当然ながらズデーテン地方のドイツ人も、 ドイツ国内の人からも返還運動が盛り上がってきた。 当然である。日本が第二次世界大戦に負けたからと言って九州が韓国に併合されたようなものである。 1937年11月英国外務大臣ハリファックスがヒトラーに会い、ズデーテン地方とポーランドに 割譲したダンツィッヒ等の問題について話し合い、混乱がないよう平和的に解決するならばドイツを支持すると話した。 英国首相チェンバレンとハリファックスは、ズデーテン地方を守るためにもう一度、第一次大戦を戦う気はなかった。 この方針をチェコスロバキアのベネッシュ大統領に伝えれば本当に平和的に進んだはずであった。 ところがベネッシュは英仏が目を覚ますように無茶な行動をとる。 これで戦争勃発寸前までゆくのだが、ヒトラーは直前に考え直し手紙を英国に送る。 この結果1939年9月ミュンヘン会議でズデーテン地方の返還が決まる。 公式の歴史ではこのドイツに対する融和政策がヒトラーの台頭を許し第二次世界大戦を引き起こしたことになっている。 このため米国の大統領が紛争の平和的な解決案を求めると、必ず弱腰、腰抜けとメディアから猛攻撃される。 しかしA. J. P. Taylorの「第二次世界大戦の起源」や本記事のパット•ブキャナンの「不必要だった二つの大戦」 を熟読すると様子は大分異なる。 ヒットラーが英仏を戦う気がなかったのは、色々な文献でも述べられている。 1935年には英独海軍協定を結び、ヒトラーは英国の軍艦保有量の35%で良いと宣言している。 これがドイツの再軍備への道を開いたというのが公式見解であるがバカげている。 常識で考えて、35%で英仏と戦えるはずがない。ヒトラーの恐れはソ連であった。 ソ連は1928年-1937年の第1次、第2次5カ年計画で鉄鋼生産量は440%、電力生産量は700%に増大した。 一方、同時期のドイツの工業生産量は28%増加、英は17%増加である。 英国チェンバレンとハリファックスはドイツを共産主義に対する防壁にしようとして、 ドイツに対する宥和政策を取ったと考えるほうが自然である。 これを潰したのがチャーチルに代表される強硬派とメデイアである。 ここ記事で述べられているパレスチナ問題も同様の論理である。 イスラエルが武力で獲得した土地を、国連や米大統領がイスラエルに圧力をかけて返還させようとするのは宥和政策であり、 より大きな戦争につながるという非難である。 |